公共工事・民間工事の積算代行
日本積算センター株式会社
神奈川県土整備局設計書限定『積算チェックサービス』
突き合わせ積算・確認積算 新料金 にて承ります。

積算情報明示し真の価格競争促進


神奈川県の『かながわ方式』の取組み

検証・入札制度

『多くの発注機関で不透明な設計書がまかり通っている。』
日本積算センター(神奈川県大和市)の山野氏はそう嘆く。
公共工事の品質を確保する重要な条件の一つは適切な価格での契約だ。
これを実現するためには事業者の正確な積算が必要であり、その前提になるのが、発注機関
が作成する設計図書の明確さだ。
入札・契約行為の基本となる発注者の設計図書なのだが、多くの業界関係者が問題点を指摘
する。

不透明な設計図書の弊害

山野氏は言う。『例えば、物価資料にない材料を使用する場合、発注者は業者から見積もり
を取る。しかし、見積もりをどこから取ったのかも、その価格がいくらだったのかも分から
ない。機械が必要な場合でも、使用する機械を具体的に示してない。大型か小型かによって
値段が違ってくる。交通誘導員の人数や仮設の供用日数など分からないことが多い』。
山野氏はさらに『設計図書がいい加減であるため、過去には価格に関する情報を関係者か
ら聞き出したり、談合をしたりしないとスムーズに落札できなかった』と話す。
不透明な設計図書が不正行為にもつながっていたというのだ。

二重のゆがみ

多くの地方自治体は現在、価格情報を探る不正行為を未然に防止することを目的に予定価格
の事前公表を行っている。
これに関して山野氏は『予算の中身が不透明な状態まま予定価格を事前公表することにより、
価格競争を二重にゆがめている』と言い切る。
横浜市内の設備工事会社のB氏は、横浜市の公共工事に関して、『自社で積算すると、市が事
前公表している予定価格を上回り、15%程度開きが出ることが多い』と言う。
そして価格に差が出る要因として、『ここ半年で1.5倍に値上がりした材料もある』と予
定価格が実勢の資材価格などを反映していないことを挙げる。
さらにB氏は設計図書に関して、設備工事に見られる『機能保持方式』による発注を問題視
する。
同方式の場合、施工の内容について設計書は、『共通仕様書による一式』としか示さず、具体
的中身が分からない。
受注後、担当者と打ち合わせしながら施工するが、性能がでるまでやり直しをさせられること
もあると言う。
『安い値段でいいものをつくらせる、業者泣かせの手法のなっている。
以前なら、材料などの設計変更も飲み込んだ価格で受注できた。しかし、価格競争が進んだ現
状では厳しい』横浜市では予定価格の事前公表を行っている。
このことが『積算能力の低い業者が最低制限価格を推測して落札することにもつながってい
る』とB氏は指摘する。
『価格が低いだけに、機能保持の設計変更で発注者ともめることもあるようだ』

価格事前公表は無意味に

設計図書を明確にした発注機関が身近にある。
積算会社の山野氏は『神奈川県では、工種・工法や単価など、応札者が正確な積算を行うため
に必要な情報をすべて明示している。』
透明性と言う点で、入札契約適正化法の目標の一つを達成できた全国でも数少ない例だ』と
評価する。
設計図書を明確にした結果、誰が積算を行っても県の設計価格と同じ金額を推計するころが
てきると言う。
『本来そうあるべきことがようやく実現できた。不透明な部分がないため、業者は正確な積
算を行い、まともに実行予算を組む事ができる勝負どころが見えるようになったのだ。
そこから積算技術を競う本当の価格競争が始まる。』
そして『一つ残念なのは、予定価格を決めるのに、わずかな金額だが『歩切り』を行ってい
ることだ』と加える。
神奈川県は、2006年度からスタートした新入札制度『かながわ方式』で、積算能力のな
い不良・不適格業者の応札を排除するため予定価格の事前公表を廃止した。
歩切りの理由について県の幹部職員は、価格情報の漏洩対策を挙げ、『設計・積算から入札執
行までの間に複数の職員が設計価格を知る立場にあり外部に漏れる可能性がゼロではない。
事務所長など入札執行者の裁量で歩切りを行っている』と説明している。
これに関して山野氏は『きちんと積算すれば誰でも県の県の設計価格が分かるのだから、価
格情報を事前公表しても無意味だし、これを職員から聞き出そうとする不正もおこらない』
という見方だ。                      以上
まだまだ国土交通省はじめ公団・機構・市町村など公共工事を発注する機関で、積算行為を否
定する設計書が多々存在しています。細かな歩掛り表は公表しても、肝心な複合代価の明細
を添付しない。一式でくくり、後は係長さんやら課長さん所長さんに聞き算しなくては価格
がつかめない。
行き着くところは、お役人・町長・市長・県知事・大臣まで談合の記事が紙面が始終賑やかして
いる。
長年かかった入札制度が『かながわ方式』によってやっと確立されようとしているではな
かろうか。
是非、発注者各位様には、『かながわ方式』を勉強頂いて、逮捕者が出ない健全な入札制度誰
もが真剣に積算できる設計図書が添付されることを願ってやまない。

【神奈川建通相模版・クローズアップ】
「真の競争の鍵は積算図書の全開示」】
日本積算センター(大和市、山野宏)

国の呼び掛けで予定価格の事後公表シフトが進んでいる。
適正価格と品質確保のはざまで揺れる入札契約制度。「真の競争≠フ鍵は積算図書の全開
示にある」と強調する日本積算センターの山野宏氏にその鍵≠ノついて聞いた。
(聞き手は相模支局=澤田久仁昭)


――予定価格の事前公表廃止を主張している。現在の建設市場をどのように見ているか。

「利益の確保どころか、実行予算すら組めない安値受注が横行している。今の公共建設市
場は、最低制限価格での運任せ≠ェ頻発しており、いわば、ダンピング合戦の修羅場と
化しているといえる。この状況は、事前公表が招いた不幸な結末である。地域の中小建設
企業の悲鳴に似た訴えをよく耳にする」

――事前公表を廃止すると、何が、どのように変わるのか。

「予定価格を算出できない不良で、不適格な建設企業を入札市場から排除することができ
る。その結果、入札市場の健全性が改善し、公正な競争環境を築くことができる。おそら
く、落札率についても適正な水準に向上していくだろう」

――事前公表廃止の前提条件は。

「工事案件ごとに精度の高い積算ができることが重要な要件となる。そのためには、神奈
川県が行っている『かながわ方式』のように、積算に必要な資料を明瞭に示すことが入札
行為のすべての前提になる。公共工事の発注機関がそれを実施しない限り、いつになって
もダンピングや談合といった悪名高い慣習と決別することは難しいだろう」過去を振り返
っても、予定価格の事前公表と事後公表という両極間を入札制度という振り幅に操られ、
振り子が右に左に振れていただけだったように思う。入札に参加する建設企業はこの振り
幅に翻弄(ほんろう)され苦しんできた。そこには、真の競争は期待できなかった」

――真の競争についての見解は。

「本来、公共入札には不明瞭さ、不明快さが存在してはまずい。そのためにも設計価格を
算出する根拠となる積算図書の全開示は重要である。積算は一位代価表から単価を積み上
げて算出するものであり、これを開示しなければ精緻な積算はできない。このオール開示
の観点が抜け落ち、あいまいにしてきたことが、今の入札現場を混迷させている主因だ」

――予定価格を算出する根幹となる積算図書の開示が不十分と。

「すべての積算図書が事前に公表されないため、精度の高い積算ができない。だから予定
価格を聞き出そうというやからが暗躍し、設計価格の漏えい、贈収賄、不透明な献金とい
った行為が後を絶たない。これが日本の公共工事をダーティにした根源であるといっても
過言ではないだろう」

 ――公共工事をめぐる問題の根幹に積算図書の非開示があると。

「すべての積算図書が入札前に公表されることは、積算技術の高い企業にとって歓迎であ
る。工事の積算が正確に行われれば、得意な専門分野や、施工条件、難易度に応じた選別
受注ができる。ここから最低制限価格をにらんだ実行予算の算定が始まる。各社の技術力
、経営力の本当の競争が始まる」

――かながわ方式を評価しているが。

「神奈川県のようにすべての積算資料を公表すれば、価格の漏えいはあり得ない。開示さ
れない限り、不透明さは残る。全国の発注機関が1日も早く積算図書の全面開示に踏み切
ることを念願している」「ただ、神奈川県が行っている歩切り≠ヘ納得できない。明確
に説明できないことは、たとえ地方自治法で認められていても使うべきでない。積算行為
の否定につながるとの指摘もある。恣意的≠ニ見られるリスクは拭い去れない」